【こんな症例も治りますシリーズ 886】『 ワンちゃんの子宮蓄膿症(子宮に膿がたまる病気) 』も適切な診断と治療でコントロールします

↑ 上の写真は、ポメラニアンのワンちゃんと、子宮蓄膿症のイメージイラストです。
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◆ 右上は『膿がたまってふくらんだ子宮』、右下の丸の中は『陰部から白い膿が出ている様子』を表しています。

 

犬  ポメラニアン 9歳 メス(未避妊手術)

 

 

【 陰部から白い膿のようなものが出ている 】とのことで来院されました。

 

 

 

◆◆ 来院時の様子

■ 避妊手術を受けていない女の子だったため、子宮の病気を疑い、超音波検査(エコー検査)を行いました。

■ 検査では、子宮の内部に液体がたまっている様子が確認され、子宮蓄膿症が疑われました。

 

 

 

 

◆◆ 子宮蓄膿症とは?

■■ 子宮蓄膿症は、子宮の中に細菌が感染し、膿がたまってしまう病気です。 特に、避妊手術を受けていない中高齢の女の子に多くみられます。

 

■ 主な症状には、陰部からの膿や血液の混じった分泌物(おりもの)、元気・食欲の低下、水を飲む量やおしっこの量が増える、嘔吐、お腹の張りなどがあります。

■ 膿が陰部から出てこないタイプもあり、異変に気づきにくいことがあります。進行すると、敗血症(細菌が全身に広がる状態)や腹膜炎(お腹の中全体の炎症)などを引き起こし、命に関わることもある病気です。

 

 

 

 

◆◆ 治療までの経過

■■ 子宮蓄膿症の基本的な治療は、卵巣と子宮を取り出す手術です。 しかし、今回の飼い主様は、最初は手術を受けるかどうか悩まれていました。

■ そのため、まずは内科的な治療(お薬による治療)を行いながら、超音波検査で子宮の状態を慎重に確認していくことになりました。

■ ところが、治療を続けても子宮の中の液体は減らず、少しずつ増えていきました。

■ 病状がさらに悪化する可能性があることをお伝えし、飼い主様と改めて相談した結果、手術を決断してくださいました。

 

 

 

 

◆◆ 手術後の経過

■ 手術では、膿がたまった子宮と卵巣を取り出しました。 取り出した子宮の内部には実際に膿がたまっており、子宮蓄膿症であることが確認されました。

■ 術後は順調に回復し、元気な姿を取り戻してくれました!

■ 飼い主様にとって手術を決断することは簡単ではなかったと思いますが、無事に回復してくれて、私たちもとても嬉しく思います。

 

 

 

 

◆◆ 最後に

■ 子宮蓄膿症は、早期発見・早期治療がとても重要な病気です。 陰部から膿のような分泌物が出る場合はもちろん、元気や食欲の低下、水を飲む量が増えることなども、病気のサインになることがあります。

■ また、子宮蓄膿症は避妊手術によって予防できる病気です。避妊手術を受けていない女の子で気になる症状がみられた場合は、早めに動物病院へご相談ください。

■ これからも元気に、飼い主様と楽しい毎日を過ごしてくれることを願っています!

 

 

 

 

◆◆ 本来は、避妊手術をしていない女の子に『おりもの』や『水をたくさん飲む』などの変化がみられたら、すぐに子宮の検査を受けることが大切です。

 

 

■ 子宮蓄膿症は、膿がたまった子宮が破れてお腹の中に膿が広がったり、細菌の毒素で腎臓などの臓器が弱ったりして、短い期間で急に悪くなることがあります。

 

 

■ お薬による治療で良くなる場合もありますが、効果が十分でなかったり、再発したりすることがあるため、多くの場合は手術がいちばん確実な治療になります。

★ 今回のワンちゃんは、超音波検査で子宮の状態をこまめに確認し続けたことで、悪化のサインを見逃さず、手術のタイミングを判断できたことが、無事に回復できた大きな理由です。

 

 

★★ 子宮蓄膿症は『様子を見る』のではなく、『早く見つけて、早く治療する』こと、そして『避妊手術で予防する』ことが、大切な命を守るいちばんの近道です。

 

 

 

 

◆◆ 『 陰部から膿・水をたくさん飲む ⇒ すぐに超音波検査 ⇒ \早期の手術で命を守る/ 』が世界では常識です。

 

 

 

 

獣医師 伊藤雅志

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